SNS採用を内製する際の課題と成功事例の真似で失敗しないための実践ガイド
2026.08.19

SNS採用、内製で本当にできる?成功事例の真似で失敗しないための実践ガイド

新卒採用において、企業SNSを活用する動きが広がっています。

TikTokやInstagram、YouTubeショートなどで話題になっている採用動画を見ると、

「うちの会社でも同じようにやってみよう」

と感じる企業も多いのではないでしょうか。

しかし、SNS採用は、ただ流行っている投稿を真似すれば成果が出るものではありません。

表面的な成功事例だけを参考にして始めると、

  • 社内の協力が得られない
  • 更新が続かない
  • 担当者の負担が大きくなる
  • かえって会社の魅力が伝わりにくくなる

といった状況に陥ることもあります。

本記事では、SNS採用を内製する場合に必要なリアルな工数や、成功事例を真似る前に確認すべきポイント、さらに自社で運用すべきか、プロに任せるべきかの判断基準を整理します。

1. SNS採用の成功事例をそのまま真似すると危険な理由

SNS採用では、

  • 社長が踊る動画
  • 社員同士の掛け合い
  • 就活ノウハウの発信
  • オフィスの日常を切り取った動画

など、目を引く成功事例が注目されがちです。

しかし、それらの成功事例には、表面からは見えにくい「成功するための前提」があります。

たとえば、エンタメ系の投稿が成功している企業には、役員や社員を自然にいじれる社内文化や、出演者が前向きに協力できる心理的安全性があるケースも少なくありません。

一方で、そうした土壌がない会社が同じことを真似すると、「やらされている感」が出てしまうことがあります。

社員本人が楽しんでいない状態で撮影を続ければ、社内に冷ややかな空気が生まれたり、出演者が集まらなくなったりする可能性もあります。

お役立ち系も「投稿すればいい」わけではない

就活ノウハウや企業選びのポイントなどを発信する場合も同様です。

継続的に投稿するためには、

  • 情報のリサーチ
  • 投稿ネタのストック
  • 求職者が知りたい内容の整理
  • 自社の採用情報との接続
  • 採用サイトや応募への導線設計

まで考える必要があります。

便利な情報を発信するだけでは、求職者には見られても、「この会社についてもっと知りたい」という興味につながらない可能性があります。

SNS採用で大切なのは、成功事例の「見た目」を真似することではありません。

「なぜその企業では、その投稿が成立しているのか」まで考えることが重要です。

2. 初心者がSNS採用でつまずきやすいポイント

SNS採用を内製する際に初心者がつまずきやすい企画・撮影・編集・投稿のポイント

SNS採用を始めた企業がつまずきやすいポイントは、大きく分けて企画・撮影・編集・投稿後の運用です。

企画|「何を撮ればいいかわからない」

最初にぶつかりやすいのが、「そもそも何を投稿すればいいのかわからない」という壁です。

他社の動画を見ても、自社に置き換えたときに何を発信すべきか分からず、企画だけで時間がかかってしまうことがあります。

「社員紹介にする?」

「仕事風景?」

「会社紹介?」

「就活生向けのノウハウ?」

と毎回ゼロから考えていると、企画だけでも大きな負担になります。

撮影|社員の協力や撮り直しが必要

次に大きいのが撮影です。

実際にカメラを向けると、

  • 社員が緊張する
  • 表情が硬くなる
  • セリフを忘れる
  • 声が小さい
  • 撮影場所が確保できない
  • 周囲の音が入る
  • 何度も撮り直しになる

といったことが起こります。

撮影者だけでなく、出演する社員側にも負担がかかる工程です。

編集|初心者ほど時間がかかりやすい

さらに大きな負担になりやすいのが編集作業です。

ショート動画でも、

  • 不要部分のカット
  • テロップ作成
  • BGM
  • 効果音
  • 音量調整
  • テンポ調整
  • 画像や素材の挿入
  • 最終確認

など、多くの作業が発生します。

初心者の場合、編集方法を調べながら作業することになるため、1本の動画を完成させるだけで半日以上かかることもあります。

投稿した後にも仕事がある

動画は、完成したら終わりではありません。

投稿後にも、

  • 投稿文の作成
  • ハッシュタグの選定
  • 投稿設定
  • エラー対応
  • コメント確認
  • 数値確認
  • 次回投稿への改善

などの作業が発生します。

つまりSNS採用は、「スマホで撮って投稿するだけ」の業務ではありません。

企画から分析まで含めると、想像以上に多くの時間と労力が必要になります。

3. 月12本投稿する場合、初心者版の工数は約129時間

仮に、1本あたり50〜60秒程度の縦型ショート動画を月12本投稿するとします。

完全初心者が企画・撮影・編集・投稿まで行う場合、ひとつの目安として以下のような工数が想定されます。

SNS採用で月12本のショート動画を内製する場合の月129時間の工数内訳

企画・台本作成:約30時間/月

1本あたり約2.5時間 × 12本 = 約30時間

何を撮るのかを考え、他社事例を調べ、自社向けの内容に落とし込み、簡単な台本や構成を作る工程です。

一見簡単そうに見えますが、毎月12本分の企画を考えるとなると、大きな時間が必要になります。

撮影:約24時間/月

1本あたり約2時間 × 12本 = 約24時間

撮影そのものだけではなく、

  • 出演者との日程調整
  • 撮影場所の確保
  • 機材準備
  • 画角調整
  • 明るさ調整
  • 撮り直し

なども含みます。

編集:約60時間/月

1本あたり約5時間 × 12本 = 約60時間

初心者にとって、最も時間がかかりやすい工程です。

テロップ、カット、BGM、効果音、音量調整などを一から対応すると、1本完成させるまでに数時間かかることがあります。

投稿・エラー対応・分析:約15時間/月

投稿文の作成、ハッシュタグ選定、投稿設定、エラー対応、簡単な分析、次回投稿への改善などを含めて、月15時間程度を想定します。

合計すると約129時間/月

すべてを合計すると、

30時間 + 24時間 + 60時間 + 15時間 = 約129時間/月

です。

これは、通常業務の合間に少しずつ対応するレベルではありません。

SNS専任者を置く、または複数人で役割分担をしなければ、継続が難しい工数です。

「通常業務をしながらSNSもお願い」と軽く始めてしまうと、担当者の負担が大きくなり、結果的に更新停止や投稿品質の低下につながる可能性があります。

4. 現実的に始めるなら「お役立ち・ドキュメンタリー系」がおすすめ

SNS採用を無理なく始めるなら、最初から派手なエンタメ系を狙う必要はありません。

むしろ初心者でも続けやすいのは、「お役立ち・ドキュメンタリー系」の発信です。

たとえば、次のようなテーマがあります。

  • 新入社員の1日のスケジュール
  • 社員インタビュー
  • 仕事内容紹介
  • 実際の業務風景
  • 福利厚生・制度紹介
  • 職場紹介
  • 社内イベント
  • 社員同士のコミュニケーション
  • 就活生からよく聞かれる質問への回答
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