- コナガヤ
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こんにちは。開発部の小長谷です。
数年ぶりに登山に行ってきました。
普段の生活の中で空を意識することなんてありませんが、登山をすると空や空気など普段は意識しないものの存在を意識するようになります。
人間の力が及ばない世界に踏み込むことで、当たり前のように思っていた物事の大切さを改めて感じます。
・いつも周りに人がいて自分を支えてくれていること
・なんだって食べるものがあること
・雨風をしのげる家があること
・暖かい布団で寝られること
そんな当たり前のことでも、山では満足にできません。
自分は生きているのではなく、誰かの力で生かされている。
そんな風にも思います。
正直、登山は疲れます。
熊、蜂、蛭、マダニなどの外敵の他に、滑落で命を落とす危険もあります。
実際、私の目の前で下ってきたお爺さんが転んでしまい、滑落してしまいました。
幸い、お爺さんはたまたま設置されていたロープを掴んだため、崖の下まで落ちずに済みましたが、あのロープがなければ最悪の結果になっていたかもしれません。
私と同じ日に登った一組のグループは遭難して救急隊に救助されたそうです。
私の二日前に登ったグループは、滑落して亡くなってしまったと聞きました。
そんな危険と隣り合わせだからこそ、都会の快適生活で鈍った野生の危機感を取り戻すことができ、普段の生活に戻ったときに生きていることを実感することができます。
登頂したときの達成感はもちろん大事ですが、危険を共にするチームメイトとの友情や絆も都会では芽生えません。
話が遡りますが、4年程前に登山中に膝を壊したとき、通常2時間あれば下山できる道を8時間も一緒に付き添ってくれた方がいました。
その方は、一人で下山すれば夕方3時には下山できたものの、初対面にもにもかかわらず最後まで付き添ってくれて、下山できたのでは夜9時を過ぎていました。
私は少しでも早く下山できるように膝の激痛と戦いながら心の中で迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、その方は空気を察して「ゆっくりでいいよ」と言ってくれて本当に心強くて感謝の気持ちでいっぱいでした。
その方は同い年ですが、このとき人生で初めて心から人を尊敬したのかもしれません。
結果的に迷惑をかけてしまいましたが、私の人生の中ですばらしい経験になりました。
そういった想定外の経験ができるからこそ、登山は多くの人を惹き付けるんだと思います。
登山の話はここまで、翌日は登山道の脇にあるキャンプ場のバンガローに宿泊しました。
バンガローは、お世辞にも綺麗とは言えず、虫が隙間から入ってきそうなくらいボロい掘っ建て小屋でした。
アウトドア好きな友人でさえ「これはないな」とがっかりしながら、その日は不満を垂れながらカレーを食べて寝ました。
翌朝、起床してから周辺を散策しました。
最近では、お~いお茶のCMなどいろいろなドラマのロケ地になっている吊り橋です。
登山道の脇にある喫茶店でソフトクリームを食べると、喫茶店のおばちゃんがいろいろ山のこと、ここを訪れた有名人のことなどを話てくれました。
おまけにコーヒーや裏庭で撮れた山菜などサービスしてくれて、気が付けば2時間も話し込んでしまいました。
その後、キャンプ場の管理人さんが現れ、今度農業などビジネスの話で盛り上がりました。
実はこの方、ただのキャンプ場の管理人ではありませんでした。
北杜市の市議会議員で北杜市観光協会の理事を務める方で、地産のものを使って六次産業化を進めるために活動されているそうです。
興味深いビジネスの話をいろいろを教えていただいたので名刺交換をして、さらに最新の農業設備を見学させてもらいました。
ドーム状のハウスで土を使わず水耕栽培する施設です。
※近くに寄ったときに写真撮るの忘れてしまいました。ごめんなさい。
神奈川県秦野市にあるグランパという会社の設備で、温度や湿度など完全のコンピューターで管理されています。
土壌栽培に比べ10%以上の収穫が早まることと、土がないので害虫や病気の心配が少ないこと、農薬が少なくてすむメリットがあるそうで、デメリットとしては、電気代の負担が大きいそうです。
ドームハウスの詳細
http://granpa.co.jp/dome.html
電気代は40個のドームで年間1億円程度がかかるため、近くに新しい発電所を建設する予定だそうで、発電の方法が斬新で、腐葉土から出る熱で発電する研究を進めているそうです。
他にもいろいろ農業体験をさせてもらい、お土産に梅酒をいただきました。
この梅酒、「呑めし」という商品名で商標を取得したそうですが、直販サイトはおろかネットを使った販売に一切着手できていないため、現状キャンプ場を訪れた人に手売りしています。
通常、梅酒は焼酎で作るのが一般的ですが、この呑めしは日本酒で作られているためほのかに日本酒の香りがします。
日本酒は苦手なのであまり飲みませんが、梅酒になるといい香りが鼻を通ります。
アルコール度数は17%と多めで辛口です。
普通に美味しい梅酒ですが、あまり個数が確保できないことと、人気が爆発してしまうと忙しくなってしまうことを危惧されていました。
今年の在庫は300個しかないそうですが、興味のある方は電話(090-8949-7305)で注文してください。
1つ2000円だそうです。
登山がメインの旅だったはずが、半分は農業見学という想定外の旅となりました。
でも貴重な経験ができて非常に有意義な時間でした。
登山に限らず旅は想定外のことがあるから楽しいのかもしれません。
おしまい。
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